香貫山
9月17

沼津市の香貫山へ久々のウォーキング。まだまだ残暑が厳しいですが、前日降った雨の影響で湿度が高いながらも少しひんやりとした空気で街中よりも大分涼しく感じます。
コース上には所々ピンク〜紫色の花びらがまとまって落ちている場所があり、結構高い場所から落ちているらしく花の種類が分かりません。展望台の東屋で昼食休憩を取ろうとした時、すぐそばの茂みで鮮やかな花を見つけました。花びらの正体は「葛(クズ)」の花でした。(9月15日撮影)
クズの花は7月〜9月頃に開花し秋の七草にも選ばれています。日本では昔からとても身近な野草だったのでしょう。昨晩はかなりの強雨だったので花びらが散ってしまったのだと思いますが、花びらが無ければ気づかなかったのでラッキーでした。

クズはマメ科クズ属の多年草で山野に自生するつる性の植物です。繁殖力が旺盛であっという間に高い木を覆い隠すほど育ちます。つる切り作業をしないとやがて森林を衰退させることもあるそうです。
大きく育ったクズの根から取れるデンプンは葛湯や葛切りなどの食用になります。漢方薬の葛根湯も文字通りクズの根から作られます。やっかいな植物であると同時にとても有用な植物でもあるということですね。
余談ですが、展望台へ歩いている時、10m近く前を猪が横切っていきました。小振りでしたが牙が見えたのでオスだと思われます。念の為に熊鈴などで対策をしておいた方が良いかもしれません。

沼津市の香陵アリーナで全日本フェンシング選手権大会を見学した後に香貫山に向かって歩いていると、青々と葉を付けたイチョウの大木が目に留まります。霊山寺というお寺の入口に植えられているイチョウの大木で、毎年見事な紅葉を見せてくれるイチョウです。近くで観察してみると丸々とした銀杏(イチョウの実)が大量に付いていました。(9月15日撮影)

大きな木で枝振りも見事なので実っている銀杏の数も大量です。一体何個ぐらいの実が成っているのか、想像も付きません。
先日、東京都の日野市で遊歩道脇のイチョウの木の枝が折れて落下し、たまたま下を歩いていた人に当たって亡くなってしまうという事故が起こりました。ニュースによると、目視では異常が無かったものの、銀杏が実るシーズンなので重みに耐えられなかった可能性があるとのこと。しっかりと張った元気な枝ならそんなことはまず起こらないのでしょうが、これだけ大きい実が一枝に数百個も付いているので確かに相当な重みだろうなと思いました。

香貫山ウォーキングでよく見かける緑色の細長い房状のもの。これはヤシャブシの花です。(3月31日撮影)ヤシャブシはカバノキ科ハンノキ属の落葉高木で日本固有種です。オオバヤシャブシという種類もあって、どちらも太平洋側に多く自生するとのことなので、この写真の木がどちらなのかはよく分かりません。
この花はもうしばらくすると次々と地面に落ちてしまいます。最初に見た時は大量の毛虫が道路で干からびているように見えてびっくりしました。大量に落ちていると滑りやすくなって歩きにくくなることもあります。
その他にも花粉症の原因にもなるそうなのでアレルギーを持つ方はご注意ください。
以前に訪れた伊豆大島にはヤシャブシが密集して自生していました。

これからは新緑の季節です。さくらの葉だけではなく様々な種類の木々が芽吹き始めていました。日当たりの良い場所に育つモミジの木は早くも青モミジを楽しめるほど鮮やかな新緑でした。